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塔を見上げて

グラフィックの可能性を拡張していきたい。
FEATURE
MASAO SHIRASAWA / 白澤 真生

グラフィックの可能性を
拡張していきたい。

UPDATE 2020.10.01
COLLABORATOR INTERVIEW
TEXT : YOSHITAKA KURODA (ON READING)
数々の広告・デザイン賞を受賞し、
今や名古屋を代表する気鋭のデザイナーとして
全国から注目を集めている白澤真生。
クライアントワークだけでなく作品発表も精力的に行い、
新たな表現を常に模索している彼に、
自身のデザインについて、アートについてお話を伺った。

― 大学ではグラフィックデザインを学んでいたのでしょうか?

白澤 : 昔からグラフィックデザインには興味があり、CDジャケットとかの仕事をやりたくて、名古屋芸術大学のデザイン学部に入学したのですが、制約が多いデザインよりも、自由度が高いアートへの関心がどんどん大きくなっていって、横浜トリエンナーレなども観に行って刺激を受けていましたね。影響受けすぎてデザイン苦手なのかな(笑)という時期もありましたね。

僕の大学は2年目からいろんなコースに分かれていくのですが、テキスタイルの学科に進むことにしました。テキスタイル・アートに取り組んでいる学生がとても楽しそうだったので。

主に、織りか染めという大きなくくりがあって。そういうテキスタイルの基本的な技術も学びましたが、どちらかというと、表現そのものに興味がありました。学校では、テキスタイルを学んで、家に帰ったら、グラフィックデザインに没頭してみたいな、二足の草鞋みたいな生活でしたね。立体作品に対する苦手意識もあったのですが、グラフィックの可能性をもう少し拡張したいという挑戦も含めて、テキスタイルを学んでいたところもありますね。グラフィックとテキスタイルを両立させて何かできないかなとは、その時からずっと考えていました。

― 今回、お部屋に展示してあるのが、テキスタイルと、グラフィックのリトグラフによる作品なんですよね。

白澤 : そうなんですよ。実は今回の制作は、いつもの個展よりも気合が入っていて。卒業制作で少し不完全燃焼な思いをしたことを、ここでけじめをつけようと。ようやく、グラフィックとテキスタイルが両方成立させることができたみたいなところもありますね。
大学を卒業した後に、そのままテキスタイル学科の助手を半年くらいしたのですが、その時新しく赴任した教授とは、その後もお世話になっていて。そのおかげでテキスタイルで出来ることについても深く学ぶことができて、この作品を作るにあたっても多くのヒントを得ましたね。

― 白澤さんは、デザイナーでありながら、個展を精力的に開催されていますよね。

白澤 : 2つ目のデザイン事務所に所属した時に、事務所の社長と一緒に、年に2回は展覧会をやろうっていう話になって。

― 結構、頻繁ですね(笑)

白澤 : そうですね(笑) 当時、表現に特化した仕事は少なかったので、もうちょっと自分たちが作ることができるアートワークを見てもらいたい、自分たちのことを見つけてもらいたいという思いが強くて。

― デザイン事務所としてそれをやってるっていうのは、すごい珍しいですよね。特に名古屋ではデザイナーが個展を開いたりっていうのも、あまり見かけないです。なぜだかアートとデザインって対立項みたいに捉えられてしまっていることも多くて、モヤモヤしていたのですが、先日、白澤さんが、ツイッターで、『デザインはデザイン、アートはアート。と、考えた時点で、デザインの向上は終わる。デザインは、アートから学ぶことは果てしなく多い。その逆もしかり。』と仰っていて、思わず膝を打ちました。そのような考えに至るまでに影響を受けた人などはいますか?

白澤 : 僕、どちらかというデザインオタクだと思うので、本当に沢山のデザイナーから影響を受けていますね。姿勢も含めて。でも崇拝はしないでおこうと決めていて。彼らの素晴らしいデザインを眺めながら、その中にないものって何だろうと。そういうものを作りたい欲求が強いんですよね。誰かの真似はしたくないし。でもそういうオリジナリティが強いものって最初は中々クライアントに受け入れられなかったりするのですが、作品を作って個展を開いてっていう繰り返しの中で、デザインへの落とし込み方が見えてきたりとか、逆にクライアント側がそういう魅力に気付いてくれたりすることもあって。それでずっと発信し続けているんですよね。

今回のこのホテルからの依頼も、はじめて、クライアントワークではない、作品制作への依頼だったので、一層気合いが入りましたね。

― 今回の作品についてお聞かせください。

白澤 : この部屋に飾ってあるのは、タイポグラフィの作品になります。名古屋らしく鯱をイメージした「ドルフィン」というオリジナルの柄からフォントを制作して、チャールズ・チャップリンの言葉を、リトグラフ作品とテキスタイル作品に落とし込みました。

こういったコロナ禍で何が正解かわからなくなってしまったり、社会における多数決の虚しさを感じてしまったり。そういうのを受けて言葉を選びました。チャップリンのメッセージって、それでも立ち上がれよ、っていうことなんですけど、ずっと昔に言われた言葉が、今でも刺さるんですよね。ただ、泊まる場所なので、言葉自体はポジティブな部分だけを抜いてあるのですが、その裏にある背景とかにも興味をもつきっかけになれば嬉しいですよね。

TEXT : YOSHITAKA KURODA (ON READING)

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