大切な人を連れてきたい街 常滑
♢Day trip schedule 9:00-17:00
〇やきもの散歩道
〇澤田酒造
〇Le coeuryzu
〇TOKONAME STORE
9:00〜
天気にも恵まれ、さわやかな風が吹く朝。
今回は愛知県南の常滑市へと足を運びます。
その雰囲気や歴史ある街並みから、海外の方にも日本の方にも人気の街。
常滑駅を出て、さっそく「やきもの散歩道」へ。
数分歩くと、右手に現れたのは常滑駅名物の“巨大とこにゃん”。
あまりの存在感に、私たちはその全貌が気になり、階段をのぼって橋を渡り近くまで見に行くことに。
なんと、とこにゃん…球体ではなく、背面はまさかの“壁”仕様!
意外な一面を知れて、思わず笑ってしまいました。
とこにゃんに別れを告げ、細い路地へ入ると、そこにはレンガ造りの煙突や窯、陶器の廃材、坂道など歴史を感じる街並みが広がっています。
窯元直売のお店や常滑焼の専門店、雑貨店や小さなカフェが並び、歩いているだけで心が弾む空間。
なんだかいつもよりも、ゆったりと時間が流れているように感じるのも常滑のいいところです。
10:00〜
ここから南へ10分ほど移動すると見えてくる澤田酒蔵。
澤田様始め、スタッフの方々が笑顔であたたかく迎えてくださいます。
まずは席に着いて、酒蔵の歴史や日本酒づくりの特徴について丁寧に説明を受けます。
常滑の“常”は「床(とこ)」=なめらかな地盤の土を意味し、この土こそが焼き物文化を育てているとのこと。
瀬戸・越前・信楽・丹波・備前と並ぶ“日本六古窯”のひとつで、東京駅の赤レンガや全国シェア8割の招き猫も、実はここ常滑で生まれたものです。
知多半島は、江戸時代には全国2位の酒どころとして栄え、今も味噌・酢・みりんといった発酵食文化が根づいています。
澤田酒造は、木の道具を使い昔ながらの手法で酒づくりを続ける、全国でも数少ない蔵のひとつ。
「酒造りは蒸しから」という言葉があるように、米を蒸すことは醪(もろみ)経過や粕歩合など、その後の工程に大きく影響を与えるそう。
特に良い麹をつくるためには調湿性能の高い木でできた甑(こしき)がやはり優れています。
しかし、熱い中で作業をするため大変な労力であること、そして木製のためメンテナンスが難しいことから、今では金属の甑や連続蒸米機に変わりつつあるそう。
昔から良いと言われたこと・良いと言われた道具を守り、伝えながら、基本に忠実に。
これが澤田酒造の大事にしていることなんだそうです。
力強く濃厚な味わいの酒は、まさに土地の風土とともに 育った一杯。
歴史と文化、人の手仕事に触れながら、知多の豊かさを実感できる特別な時間でした。
12:00〜
お昼は、レストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」に掲載されている名店、「Le coeuryzu」へ。
ここから、繋がりを体験する旅へと進んでいきます。
「このあとフレンチランチに行く予定です」とお話しすると、澤田酒造の方から、「もしかしてLe coeuryuzuさんですか?」と名前が出てきたのです。
Le coeuryuzuのわたなべシェフが毎日、澤田酒造へ水を汲みに来ているそうで、繋がりにびっくり。
お料理に提供する水にも使用しているとのことで、さらにこの先がワクワク。
Le coeuryuzuは潮風を感じられる小さなレストラン。
1枚板で作られたカウンターテーブルで、たった6席だけなんです。
丁寧に作られたコース料理は、どれも絶品。
見た目、味ともにとてもバランスが良く、シンプルながらも心に残る味わいでした。
「常滑ではみんなが助け合って、こうした地産地消が成り立つ」という言葉の通り、つながりを感じる地元の食材が並ぶ11品。
その一皿を完成させる器はもちろん常滑焼。
ここでしか出会うことができない、そんな食に触れた時間でした。
13:30〜
心も体も満たされたあとには、なんとご好意でシェフが海まで案内してくださることに。
「常滑の海=りんくうビーチ」のイメージが一転、まるでプライベートビーチのような静かで美しい海辺。
近くには、ブランコや遊具もあり、地元の方が「子どもたちにまた海で遊んでほしい」と願って整備したんだとか。
この町に暮らす人々の優しさが伝わってくる素敵な風景でした。
14:30〜
さて旅の締めはもちろん常滑焼を体験しにTOKONAME STOREまで。
もちろん旅のラストも繋がっています。
予定していたTOKONAME STOREの店主様とも、わたなべシェフはお知り合い。
”うちのレストランで召し上がったお客様をよろしくね”と繋いでくださいました。
ここでは、「たたら製法」を体験。
轆轤(ろくろ)ではなく、板状にした粘土を型で抜いたり、自由な形に整えたりして器を作る製法。
手びねりや轆轤とは違い、きっちりとした形になるのが特徴でした。
常滑ならではのまねきねこスタンプもあって、遊び心いっぱい!
想像以上に楽しく、世界に一つだけの個性あふれる器が完成しました。
世界につながる「空港」という場所を持ちながら、地域のつながりを何より感じた「常滑」という街。
今回の常滑訪問では、たくさんの地域の人と触れ合い、非常に温かく充実した一日でした。
ぜひ皆様も「人」を感じに、訪れてみてください!